肥満症の薬物治療開始のお知らせ

2024年2月に肥満症治療薬の「ウゴービ」が発売されました。ウゴービは肥満症治療のため承認された、GLP-1受容体作動薬です。週1回の注射薬になります。 この治療薬は施設要件を満たした医療機関での処方が必要です。当院は要件を満たしており、処方可能になっています(日本糖尿病学会の教育研修施設であり、日本糖尿病学会専門医、管理栄養士が常勤であること)。
特に、高血圧や脂質異常症のある肥満症の方にお役立ていただけると考えております。

治療の対象になる方

肥満症、ただし、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかあり、その薬物治療を受けていること、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当するときに対象になります。
・BMI注1が27kg/m²以上あり、2つ以上の肥満に関連する健康障害がある注2
・BMIが35kg/m²以上
*肥満の基準を満たしていても、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれもない場合には該当になりませんので、ご注意ください。
注1 BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算可能です。
注2 肥満に関連する健康障害:高血圧、脂質異常症、耐糖能異常(2型糖尿病、耐糖能異常など)、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常・不妊、睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患(変形性関節症)、肥満関連腎臓病があります。

治療の流れ

2か月ごとに半年間、管理栄養士による栄養指導、そして運動療法を行い、それ以降にウゴービを開始します。治療開始後は以下のスケジュールで薬剤を増量します。治療期間は最大68週間(約1年4か月)です。治療期間中も2ヶ月ごとに、管理栄養士による栄養指導を行います。

2ヶ月ごとの診察および管理栄養士による栄養指導、運動療法を半年間行う。
半年後以降にウゴービを開始。
以下のスケジュールで増量します。

治療費の目安ですが、薬剤の用量によりますが、1か月で薬剤費と注射の管理加算を合わせて3割負担の方で0.25mgで約4,000円、0.5mgで約6,000円、1.0mgで約9,000円、1.7mgで約11,000円、2.4mgで約14,000円になります。その他、血液検査料と診察料がかかります。 治療をご希望される方は、平日の内科外来を受診してください。