糖質制限食について

内科 医師

数年前頃より、TVなどでとりあげられることの増えてきた、「糖質制限食」。糖尿病の方の治療や、 ダイエット法としても注目を浴び、「主食さえ抑えれば好きなだけ食べられる」と報じられることもあり、 自己流で始めてしまう方も少なくありませんでした。 2013年3月、日本糖尿病学会より、「極端な糖質制限食は現時点では勧められない」との判断が示されています。 肥満の改善が、糖尿病の予防ならびに治療に重要です。体重を適正に保つには運動とともに、食事療法が大切で、 それは、エネルギー摂取量の制限を最優先とする、とされました。エネルギー制限をせずに、糖質=炭水化物のみを 極端に制限して、減量を図ることは長期的な有効性だけでなく、安全性も証明されていません。(1年でリバウンドし、 それどころか悪玉コレステロールが増えてしまうなどの報告もあります。) また、糖質制限食での減量を減量をめざした研究の対象者は全て欧米人の肥満者で、BMI30〜35と我々日本人の肥満(BMI25〜) とは肥満の程度が異なるため、日本人には当てはまりにくい点もあります。 従って、糖質=炭水化物を総エネルギーの50%〜60%、タンパク質20%程度、残りを脂質とする という三大栄養素のバランスを保ちつつ、全体の摂取エネルギーを制限することが、推奨されています。

home